シンプルな操作性と手厚い導入支援 AIチャットボット「LOOGUE FAQ」の導入後問い合わせ件数43%削減
月平均約70件の問い合わせで業務効率が低下
課題解決に向けチャットボット導入を検討
2021年、それまで別のグループ会社が担当していた、サノヤスグループの全ての事業会社からのシステムなどに関する技術的な問い合わせ対応を、サノヤステクノサポート様のシステム企画部(2021年当時、2022年よりシステム運用部に組織変更)が担うことになりました。メールのほか、電話での問い合わせが多く、人員が限られているシステム企画部員の負担が大きくなっていったと、黒龍氏は語ります。
サノヤステクノサポート株式会社 取締役 黒龍 英之 氏
「問い合わせ対応は、月平均で約70件、50時間程度に上っていました。別の作業をしていても、問い合わせが来ればそちらに手を取られてしまうため、業務効率の低下を招いていたのです。
また、特定のメンバーに問い合わせが集中することによる、対応スキルの属人化という課題もありました。もし異動などでそのメンバーがいなくなれば、一から対応体制を整えなければならない状況だったのです。
こうした状況を打破すべく、弊社が目を付けたのが、チャットボットでした。導入効果で生み出した時間を、「より事業会社に貢献できる」前向きなシステムの企画・運用に向けられると期待しました。そうすることで、システム利用における事業会社の満足度向上に繋がると考えたのです」(黒龍氏)
Q&Aの登録だけでいいメンテナンスの容易さが、LOOGUE FAQ導入の決め手に
本格的に検討に入ったのは2022年。ARIからの架電をきっかけに知ったLOOGUE FAQを含め、4社のツールが候補に挙がりました。
サノヤステクノサポート株式会社 システム運用部 副部長 佐藤 陽一 氏
「当社としては、ユーザーにとっての使いやすさ、メンテナンスが容易なシステムであることを重視していました。トライアルも実施した結果、比較した4つのツールは機能や操作性、料金に関しても大きな差は感じなかったというのが正直なところです。
LOOGUE FAQがとくに優れていたのはメンテナンス性。Q&Aの登録が容易にできますし、画面からも使いやすさを感じましたね。そして最終的な決め手になったのは、ARIの営業担当者の熱意です。その真剣さに信頼感を持ち、LOOGUE FAQの導入を決定しました」(佐藤氏)
AIチャットボットであるLOOGUE FAQは、登録されたQ&AのデータをAIが分析し自動で聞き返したり、関連する回答を一覧表示したりします。そのため、管理者がチューニング作業を行わなくとも、適切な回答に導くことができるだけでなく、AIによる機械学習によって、回答精度が高まっていくためメンテナンスが容易なのです。
ARIが伴走してQ&Aを整備 地道な社内周知でLOOGUE FAQが浸透していった
2023年春、同社はそれまでの問い合わせ内容の記録をもとに、Q&A登録のためのデータ作成に着手。ARIのレクチャーを受けながらQ&Aの内容を検討し、2か月かけて約300項目を作成し、サノヤスホールディングスでの試験公開に至りました。
「Q&Aの案に対するレビューはもちろん、管理画面の操作方法や疑問に対する対応など、ARIに丁寧にフォローしてもらえました。その後も慎重にQ&Aの整備を行い、8月末には全グループ会社向けに展開できました」(佐藤氏)
チャットボットの導入が初めてだったこともあり、当初はなかなか利用が進まない状況にあった同社。システム運用部では利用促進のためにさまざまな施策を実施したと、佐藤氏は振り返ります。
「LOOGUE FAQ導入時にはメールでグループ各社に告知。システム企画部で発行している広報紙『システムレスキュー』でも、使い方をわかりやすく説明するなど、周知に努めました。私も、朝礼などで直接利用を促しました。」(黒龍氏)
「テキストだけではなかなか伝わらない部分もあるので、操作方法を説明する動画を作成して、メールやシステムレスキューで発信。電話や対面での問い合わせ対応時にも、『LOOGUE FAQにも載っていますよ』と利用を促すなど、草の根的な取り組みを続けました」(東氏)
こうした地道な取り組みが結実し、現在では月200件程度の利用につながっています。日々LOOGUE FAQの管理を行う東氏も、社員への浸透を感じているといいます。
サノヤステクノサポート株式会社 システム運用部 東 真澄 氏
「社内でアンケートを取ったのですが、当初は『求めた答えが出ない』という反応もありました。利用実績に基づいて『Q』のデータにキーワードを順次追加し、ユーザーが求める『A』にたどり着けるよう、日々メンテナンスを実施。いまでは『電話するほどでない質問を気軽に聞ける』『年に数回しか行わない業務も、詳しい方法を案内してもらえて便利』などの声も聞かれるようになりました」(東氏)
LOOGUE FAQ導入1年で、電話・メールの問い合わせが43%減少
同社では、LOOGUE FAQ導入1年を経て、中間評価を実施。電話・メールの問い合わせが43%減少し、対応工数も半減に近い23時間の削減に成功しました。
「1年前は基幹システムを導入したばかりで、単純に問い合わせが多かった時期。それが落ち着いてきたという要因もあるため、LOOGUE FAQの純粋な効果を判断するのは難しい部分はあります。ただ、基幹システムに関する電話・メールの問い合わせ件数も減っていますし、LOOGUE FAQは一定程度貢献してくれていると考えています」(黒龍氏)
もうひとつ、LOOGUE FAQをご評価いただけているのは、使い勝手の良さ。ExcelでQ&Aの2列を作成するだけで登録が可能で、シンプルに使える点が気に入っているのだとか。
「操作性はもちろんですが、とくに導入時、定期的なオンラインミーティングを通して、ARIから的確なアドバイスをもらえたことや、弊社からの質問に対しても迅速に対応頂いたことがとても助かりました。また、Q&Aの作成方法についてのアドバイスや、社内への告知・利用促進方法についても有益な提案がありました」(東氏)
LOOGUE FAQはExcelのQ&Aにある回答だけでなく、利用者が問い合わせたテキストをAIが分析・学習することで、キーワード同士の関連付けを行い関連性が高いキーワードを認識します。また、キーワードの関連性は回答の表示に反映され、より課題を解決できる回答群を表示することが可能なのも特徴です。
同社は今後、LOOGUE FAQをシステムのナレッジ管理にも活用していく意向。将来的には、システム企画部以外の部署への問い合わせについてもLOOGUE FAQの導入を検討しているとのことです。
「今後もQ&Aをブラッシュアップしながら、利用を促進していきたいですね。ARIには、丁寧なフォローを通して二人三脚でうまく伴走してもらえたので、引き続きサポートをお願いしたいと思っています。
また当社では今後、生成AIをさらに活用していく方針です。ARIはAIに関する幅広いサービスを展開しているので、ぜひさまざまな提案をしてもらえればと思います」(黒龍氏)