業務のシステム化が急速に進む状況で、使用方法に関する問い合わせ業務が急増。情報システム担当にかかる負担を軽減する手段としてチャットボットの導入を検討。
Primetals Technologies Japan 株式会社 ITグループ 主任 中村 雅和 氏
急速に進む社内業務のシステム化担当者に掛かる負担軽減が急務に
近年、多くの企業が業務効率化やワークスタイルの変化に対応するためとして、社内ワークフローのシステム化を進めています。三菱重工グループにおいて、原料の加工から製造の過程において様々な設備やソリューションを提供するPrimetals Technologies Japan(以下PTJ)でも、社内の情報システムを担当するITグループを中心に、社内業務のシステム化を推進しています。
システム化によるワークフローの効率化が進む一方で、ITグループでは社内ユーザーから寄せられる問い合わせ対応業務が急増してしまい、メンバーが本来行うべきシステム化の作業に影響を及ぼす事態が発生していました。
「ITグループは、メンバーの人数もそれほど多くありません。また、それぞれが非常に多くの業務を抱えています。特に、社内ユーザーから寄せられる問い合わせ対応は、時間の面でも精神的な面でも大きな負担となります」と語るのは同社ITグループ 主任 中村雅和氏です。
問い合わせ対応の効率化を目的LOOGUE FAQを導入
問い合わせ対応の効率化を検討していた中村氏が目を付けたのが、グループ企業である三菱重工が人事で利用していた社内向けチャットボットの存在でした。
「三菱重工と比べると規模も予算も違うので、同じものを導入しようとは思いませんでした。ただ私達が求めるレベルの製品もあるはずと思ったので、知り合いの方々に声を掛けて情報収集を行いました」。
そして各所から紹介された製品の中から、中村氏は規模やコストなどを比較して、3つの候補を絞り、具体的な検討を行った結果、ARアドバンストテクノロジ(ARI)が提供するAIチャットボット「LOOGUE FAQ」が選択されました。
3つの候補の中からLOOGUE FAQを選んだ理由として中村氏が挙げたものが「メンテナンスが簡単であること」でした。
「もともと負担軽減が目的なので、メンテナンスに時間が掛かってしまっては意味がありません。LOOGUE FAQは、Q(質問)とA(回答)の作成も含めて、仕組みが非常に簡単だったことが大きなポイントとなりました。それと、ARIの担当者の方が迅速かつ親身に対応していただいた事も大きかったです。
導入後約2ヶ月が経過現時点で電話による問い合わせはゼロ
2021年2月よりトライアル版を用いた評価を開始。その後、2021年7月にLOOGUE FAQの正式導入が決定。同年8月より社内システム上で稼働中とのことです。
ちなみに、LOOGUE FAQ導入前は電話による問い合わせが月に3〜40件あったそうですが、導入から約2ヶ月が経過した時点では「そういえば、問い合わせが来た記憶がほぼありませんね(笑)」という感想が中村氏から漏れるほどに激減していました。
なお、PTJの社内システムでは「問い合わせボタン」をクリックするとLOOGUE FAQが立ち上がる仕組みになっています。注目すべき点は「就任したばかりなので難しい質問には答えられないかも。でも、日々賢くなるので、何度も試してみてください」という注意書きです。
事実として、AIチャットボットであるLOOGUE FAQは、使われるほどに賢くなります。「回答なしだった質問が、後日もう一度試したら回答された」となれば、チャットボットの成長が感じられ、ユーザーも積極的に利用してみようという気持ちが湧いてくることでしょう。しかし、この注意がなければ、回答がなかった質問をもう一度試そうとするユーザーはほとんどいないことでしょう。
このような、ユーザーが使いたくなるような遊び心のある注意書きこそ、実はシステムの導入初期において重要なものなのかもしれません。
なお、中村氏が導入のポイントとして挙げていた「LOOGUE FAQのメンテナンス」については、「現状では週に1回、10分から15分程度」で収まっているとのことです。
「メンテナンスが簡単で時間も掛からないので、あまり構えずに、仕事の合間の気分転換にチェックする感じですね(笑)」。
さらに使いやすく便利にLOOGUE FAQの成長に期待
2021年10月現在、PTJが導入しているLOOGUE FAQには51件のQ&Aが登録されています。今後、この件数はさらに増え、内容も洗練されていくことでしょう。
「このチャットボットは、私が一から立ち上げたので、思い入れがかなりあります。ですから、もっともっと社内のみんなに使って欲しいと思っています」とのことです。
そして最後に中村氏は、LOOGUE FAQに対する今後の期待として以下の様な要望を挙げました。
「例えばですが、ある程度使い込んできたら、“こんなQ&Aはどうですか”みたいに、自動提案してくれる機能があれば助かると思っています。LOOGUE FAQが成長していけば、私達の業務も楽になるので、今後も期待しています」。